2016年2月16日火曜日

養父先生による査察と学習会。

養父先生を迎えての現地査察。
森の都愛鳥会、日本野鳥の会石川、その他の自然団体関係者、
県の河川課、新聞社などが参加しました。

最初に普正寺の森の看板前で河川工事についての説明が行われました。
雪が吹雪く日となりました。
今日(2/16)は森の都愛鳥会が企画した査察と学習会に参加してきました。
講師の先生は、和歌山大学教授の養父志乃夫(やぶ しのぶ)先生です。
養父先生は、これまでダムや造園にも関わって来られて
昆虫少年であり野鳥好きでもあったと言います。
だから工事側の立場、生きもの側の立場、
両方の立場の気持ちがわかるそうです。

午前11時〜12時は、犀川沿いの遊歩道を
先生と集まった関係者たちが共に歩き、
川の様子を見ながらお話を聞きました。 

お昼タイムは私たちメンバー5人でお昼を食べながら
後で参加のお仲間に午前の様子を伝えました。

午後1時半からは、普正寺の森周辺や犀川河口域の川の様子などを
地図と照らし合わせながら、治水と環境をテーマに、
専門的な立場からのお話をお伺いしました。

新聞を見て参加された地元住民の方もいて40名くらいの参加となりました。

その土地が持つ歴史を遡って見ていくと、
右岸側の土地一体には、かつては多くの水流が存在していたという。
とてもわかりやすい養父先生の説明で、
新たなことをいくつか知りました。

◎選択技はたくさんある・・・それをいくつか吟味しながら、
 ケンカせずに話し合いながら一番いい方法をみんなで
(県、自然保護団体、地元など)考え、選択していく。

*左岸(森側)は土地が硬く高さが高い。右岸は柔らかく、低い。
 低い方の地下に水全体が流れるような土地の性格がある。
*よって、左岸の掘削方法では、治水の問題解決ができない。
 =洪水時には地下に流れている水が暴れる。
*地形的にこの川の蛇行は水の力のかかり方が普通ではないので、
 流量の配分を少しづつ部分で受け持つようにして、
 下流だけで流量を負わさない。ここで一度に大きな水を流すと危ない。
 =中に管を入れる方法がある。高低差のある場所で行う。
  (都市ではこの方法を使っている)

まとめ・・・
◉養父先生の見解では、左岸には手をつけずに
 それより上流で不足の700tを分散させるというもの。
 普正寺の森側の左岸を掘削しても、右岸側に水は流れる土地の性格があり
 治水面に於いて、抜本的な問題解決にはならない。

今日は普正寺の森を含めた、地域の土地の性格を見ていく事で
一つの展開が見えたような気がしました。
河川課は、普正寺の森側を掘削する方法ばかりを説明していて
選択技が他にはないという強い思い込みがあるようですが
治水の安全面に於いてと、生物にとって貴重な森であるということを考慮し、
他の選択技を吟味することも必要だと感じました。

また、今日は地元住民の参加者から
右岸工事で森を失ったことで、地域の風当たりが強くなってしまったので
ぜひ、左岸側の森の木は切らないでほしいという要望がありました。
またこの左岸工事について、地元町内会へも説明をしてほしいとのこと。

みんなが納得していい方向に向うためには、
これからいろんな立場の人たちや団体が集まって
論じる場を作ることが大切だと感じました。

今日の査察を企画してくれた
森の都愛鳥会に感謝します。

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